RTK測位の種類

RTK測位の主な種類は次のとおりです。

• スタティック測位
• キネマティック測位
• RTK−GNSS
• ネットワーク型RTK−GNSS（VRS）
• ネットワーク型RTK−GNSS（FKP）

静止測量であるスタティック測位は、高精度ではあるものの時間がかかります。移動測量のキネマティック測位は、1分以上の観測時間が必要です。

RTK−GNSSは基準局が必要ではあるものの、1秒データの10秒観測で、かつ3～4級基準点測量を実施するため、高精度の測量を実現できます。

ネットワーク型RTK−GNSS（VRS）とRTK−GNSS（FKP）は、基準局の代わりに補正データをデータ通信によって提供する測量方法です。RTK−GNSS（VRS）が仮想基準点を提供するのに対し、RTK−GNSS（FKP）は面補正データを提供するのが大きな違いです。

RTKとGPSの違い

RTKが「相対測位」であるのに対し、GPSは「単独測位」です。

RTKは、地上に設置した「固定局」と「移動局」の2つの受信機で4つ以上の衛星から信号を受信する技術です。2つの受信機間で情報交換をし、それぞれのズレを修正・補正していくため、誤差を数cm程度の最小限に抑えられる大きなメリットがあります。高精度の測位を実現できる測量方法です。

一方で、単独測位であるGPSは、単独の受信機による測定が行われるため、位置情報に数m前後の誤差が生じてしまうのがデメリットです。より精度の高い位置情報が求められる場合には適していません。

RTKの利用によって広がる可能性について

数cmの微差で位置情報を把握できるRTKは、これまで大きな誤差が生じていたことでGPSが普及しきれなかった分野においても、位置情報活用の可能性を広げていくと考えられています。国土交通省は、スマートフォンやタブレットなどに搭載されているLiDAR機能とGNSS受信機を組み合わせて実現する「3次元測量」を建設現場での業務効率の向上のために推奨しており、今後さらなる普及が期待されているのです。

建設現場以外にも、農業分野における機器の自動化やドローンによる農薬散布、道路や橋梁における監視業務の自動化、運送業におけるドローンによる配送業務の自動化などで、RTKの技術が活用されていくと予想されています。

RTKを用いた高精度衛星測位サービスは、国内の複数の企業においてサービス提供が開始されており、ドローン飛行やバスの自動運転などの分野で実際に利用されているのです。

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