3Dスキャナーの使用用途

3Dスキャナーの代表的な用途は、以下の5つです。

製品の検査・計測・開発

完成した製品をスキャンすることで、設計や寸法の狂いをデータ上で比較できます。製品を直接計測する必要がないため、検査・計測作業の効率化を図れる点もメリットです。また、取得したデータは製品の開発・改良に役立てられます。

リバースエンジニアリング

リバースエンジニアリングとは、完成した製品の動作や仕組みなどを解析し、製品の開発・改良に役立てることです。

3Dスキャナーなら、製品の構造や仕様に関する情報を立体データとして取得できるため、より高精度な製品作りが可能です。自社の既存製品はもちろん、他社製品との類似性や互換性を持つ製品の開発にも役立ちます。

表面の質感のデータ化

3Dスキャナーは、物体表面の質感や風合いといったテクスチャデータも取得できます。例えば、木目風にデザインされた製品を作りたい場合は、3Dスキャンした木目のテクスチャデータを活用することで、よりリアリティのある造形が可能です。

デザイン開発の効率化

3Dスキャナーで取得したデータは、デザイン開発のひな形としても活用できます。例えば、3Dスキャナーで自社製品のデータを取得しておけば、データ上で色合いやパーツを変えるだけで新たなデザインを生み出すことが可能です。既存製品のデータが蓄積されていくことで、デザイン開発の効率化を図れるでしょう。

フィギュアや模型の製作

3Dスキャナーは、フィギュアや模型の製作現場において欠かせない存在になりつつあります。3Dスキャナーで取得したデータを3Dプリンターで出力すれば、実物そっくりのフィギュアや模型を短期間で製作可能です。人物やペット、建造物や車など、好みの対象を手軽にフィギュア化できるため、個人で楽しむ人も増えています。

3Dスキャナーが活用されている業界・場所

3Dスキャナーは、建築・医療・製造など、実に様々な現場で導入されています。

建築業界

建築現場においては、主に測量やモニタリング作業に活用されています。3Dスキャナーなら現地の測量を数日間で終えられるため、現地調査にかかる時間や人的コストを削減し、作業効率の大幅アップが可能です。また、調査結果をより正確に取得できるため、作業員同士や顧客との打ち合わせもスムーズにできます。

医療業界

高精度のサービスが求められる医療現場では、医療機器の検査に3Dスキャナーが活用されています。 3Dスキャナーで医療機器の設計や寸法をデータ化することで、実際に組み立てたときのズレの有無や程度を把握することが可能です。

また、3Dスキャナーで患者の身体をスキャンすることで、機能的で快適な装具や補綴の設計・製作に役立てている医療機関もあります。

製造業界

3Dスキャナーの高精度なデータがあれば、図面のない製品の量産も容易です。また、紙の図面と異なり保管場所を取らず、必要なときにすぐ取り出せるメリットもあります。

プラント工場

複数の機器や設備を備えたプラント工場では、安全かつ効率的な運用を実現するため、現況データ収集・管理が欠かせません。3Dスキャナーなら配線や機器が入り組んだ場所もスムーズに測定でき、作業効率の向上に役立てられます。

土木・インフラ基盤工事

構造物に関する高精度なデータを取得することで、施工の品質を高めるとともに、図面や書類の作成といった工数の削減につながっています。

また、取得したデータから3Dモデルを製作することで、着工前の現況確認や設計をより効率化できるでしょう。