GPSの概要

GPSとはGlobal Positioning Systemの略であり、1970年代以降にアメリカで開発された人工衛星を活用した全世界的な衛星測位システムです。GPSは、別名「全地球測位システム」と呼ばれています。

GPS衛星の運用寿命は約10年間であり、性能劣化や維持コストのためにGPS衛星の総数は常に変動しています。

GPSは、常に4つ以上のGPS衛星の電波を受信できる仕組みです。世界中どこにいてもGPS衛星から受け取った情報を解析し、自分自身の位置を把握できます。

開発当時は軍用目的の利用が主でしたが、1996年3月にクリントン大統領によってGPS政策が発表されると、民間でも利用されるようになりました。現在ではカーナビやスマホなど、私たちの身近な製品にもGPSは使用されています。

GPS測量を構成する3つの要素

GPSの衛星測位システムは、次の3つの要素から構成されています。

GPS衛星（スペース・セグメント）

GPS衛星（スペース・セグメント）は、およそ2万km上空の6つの軌道に4基以上の衛星が配備されており、約12時間周期で地球を周回しています。測位に必要な時刻信号や起動情報を電波によって常に地上に送り続けているのが特徴です。

地上管制（コントロール・セグメント）

地上管制（コントロール・セグメント）では、GPS衛星の監視や制御、衛星の時刻や軌道が許容範囲を超えないよう随時保守を行っています。GPS衛星を追跡してその軌道を計算し、地上からGPS衛星からの情報を受け取っている部門です。

GPS受信機（ユーザー・セグメント）

GPS受信機（ユーザー・セグメント）は、GPS衛星からの電波を受信し、位置を計算して測位を行います。カーナビやスマートフォンなどといった、ユーザー側で使用する受信装置やデバイスのことです。GPS測量機器もGPS受信機の1つであり、衛星からの電波を受信することで正確な測定を実施します。

GPSによる測位は、基本的に3つの衛星との距離、そして信号を受信した時間差によって割り出します。そこで生じた誤差を4つ目の衛星の正確な時刻を利用して誤差の修正を行うのです。そのため、高精度な位置情報を把握できます。

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